脚がやけに多い何かを見つけて、頭にあるのはひとつの問いだけ。これは何? 2026 年の今、その答えを出す方法はかつてないほどたくさんあります。正直に順位をつけるなら、基準は「どのアプリがいちばんか」ではなく「どこまで確かさが要るか」です。ここでは、わたしたちが知っているよい方法を、自分たちのもの以外も含めて全部並べ、それぞれ何に向いているかを書きました。
まずは写真から
下の方法は、人でも機械でも、写真の出来しだいです。うまくいかないときの多くは、次の 3 つで直ります。
- 1 匹だけを、画面いっぱいに。 後ろの葉っぱではなく、虫をタップしてピントを合わせます。
- 昼の光で、フラッシュなし。 フラッシュは色をのっぺりさせ、つやのある前翅を白く飛ばしてしまいます。
- まず真上から、次に横から。 判定する側が実際に見ているのは、斑紋、翅脈、脚の長さです。
人に聞くつもりなら、場所、日付、大きさの目安(横に硬貨を置くと便利です)も添えましょう。
アカウントなしですぐ知りたい:判定アプリ
下のアプリは、2026 年 9 月時点ですべて iPhone で無料でダウンロードできます。価格と機能は各アプリの App Store の説明によるものです。ほかのアプリの正確さは、わたしたちが自分で試したわけではありません。
| アプリ | 対象 | アカウント | 無料でできること | 知っておきたいこと |
|---|---|---|---|---|
| Peekabug(わたしたち) | 昆虫、クモ、そのほかの小さな生きもの | 不要 | アプリでも このブラウザでも 1 日 3 回判定できます。名前、一致の確かさ、近くにいても安全か | わかったふりをせず、「ほぼ確実」「たぶんこれ」「一番近い候補」で答えます。5 か国語対応。主役は虫を集めるゲームです |
| Seek by iNaturalist | 生きものすべて:植物、動物、菌類 | 不要。「初期設定ではユーザーデータを一切集めない」としています | カメラでの判定が無制限、バッジとチャレンジ | 判定は iNaturalist の観察データをもとにしています。家族向けに作られていて、虫専用ではありません |
| iNaturalist | 生きものすべて | 投稿には必要 | すぐに候補が出て、そのあと世界中のコミュニティが観察記録を確認します | いちばん時間がかかり、いちばん信頼できます。コミュニティが確認した判定は、科学に使われる本物のデータになります |
| Picture Insect | 昆虫とクモ。説明によると「4,000 種以上」 | 記載なし | 判定。説明では「制限なしの虫の判定」と「昆虫学者からの回答」は有料の Premium プラン(年額、7 日間のトライアルあり)に入っています | 刺され跡や害虫駆除の参考情報もあります |
| BugKnow | 昆虫、クモ、そのほかの節足動物 | 記載なし | 判定、種のプロフィール、刺され跡チェッカー、害虫の深刻度評価(「情報提供のみを目的としたもの」) | 英語のみ。「ふつうのアメリカ人」向けに作ったと説明しています |
| Google レンズ / Apple「画像を調べる」 | なんでも | 不要 | スマートフォンに最初から入っています。カメラロールの写真に向けるだけです | 確かさの度合いも安全の見立てもなく、そっくりさんにだまされやすいです |
わたしたちのものも含めて、どのアプリも苦手なことが 2 つあります。
- むずかしいグループで確かな答えを出すこと。 小さな茶色いガ、ハエ、アリ、そして多くの甲虫は、スマートフォンの写真からでは、だれにも種まで判定できません。Peeka が「一番近い候補」と言うときは、言葉どおり近い候補にすぎません。
- 刺され跡。 皮ふの写真からは、どの生きものが原因かを確実には言えません。Peekabug はそもそも試みません。刺され跡が腫れてきた、広がってきた、体調が悪いと感じるときは、それはアプリではなく医師に聞くべきことです。
フロントからのひとこと:「ほぼ確実」のときは、判定はたいてい当たっています(テストでは 25 回中 24 回)。「たぶんこれ」のときは、種のレベルでは五分五分です。だれかに伝える前に、そっくりさんの欄を読んでください。
確かな答えがほしい:人に聞く
赤ちゃんの部屋のクモでも、庭で見たことのない甲虫でも、大事な場面では、そのグループにくわしい人がどのアプリよりも頼りになります。うれしいことに、そういう人たちには簡単に連絡がつきますし、本人たちも楽しんで答えてくれます。
- Reddit の r/whatsthisbug。 愛好家や現役の昆虫学者が、世界中から寄せられた写真を人の目で判定してくれます。たいていは数時間以内です。投稿ルールを先に読んでください。場所と大きさを書くことが求められていて、写真が不十分なときはそう言われます。
- BugGuide.net。 米国とカナダの昆虫、クモ、その仲間の写真を、ボランティアが整理しているアーカイブです。判定を依頼するコーナーもあります。Reddit より時間はかかりますが、判定はきちんと確認されます。科の名前がわかったあとなら、アーカイブそのものがすばらしい資料になります。
- iNaturalist。 写真を観察記録として投稿します。コミュニティが判定を確認したり直したりし、2 人の意見が一致すると「研究グレード」になります。Peekabug の季節のデータは、ここから来ています。
- 大学のエクステンション(普及事業)窓口(米国)。 米国のほとんどの州立大学にはエクステンションの事務所があり、住民が送った写真や実物の標本を判定してくれます。無料のことも多いです。「insect identification」と、自分の州のエクステンションの名前で検索してください。
- 地域の自然史博物館や昆虫の学会。 判定の日を設けていたり、メールで質問に答えてくれたりするところが多くあります。めずらしいものなら、聞いてみる価値があります。
自分で調べる:データベース
科や属の名前がわかっていて、それを確かめたいなら、わたしたち自身も使っている資料がこちらです。
- BugGuide.net:北米向け。分類の順に整理され、どの階層にも写真があります。
- iNaturalist の分類群ページ:世界中どこでも、分布図と季節の傾向がわかります。
- Wikipedia と Wikispecies:学名、シノニム(異名)、最初の手がかりになる解説。
- Peekabug の虫図鑑:アプリに載っている 181 種について、どこを探すか、いつ活動するか(iNaturalist の研究グレードの記録から)、一生の流れ、そしてそのうち 42 種については人の手で確認した安全レベル。
わたしたちが実際に使う順番
- アプリで写真を撮って、10 秒で名前を出します。アプリが自信を持っていて、安全の見立てが緑なら、たいていはそれで終わりです。
- アプリの答えがあいまいなとき、またはかんだり刺したりするかもしれない相手のときは、場所と大きさを添えて r/whatsthisbug か iNaturalist に写真を投稿します。
- 名前がわかったら、データベースで読んでから、もう一度外に出て見てください。そこだけは、アプリには代わりにできない部分です。
質問
写真から虫を判定できる無料アプリで、いちばんよいのはどれですか?
アカウントなしですぐ名前を知りたいなら、Seek by iNaturalist と Peekabug がどちらも無料でダウンロードでき、どちらも登録は要りません。Seek は生きものすべてが対象で、初期設定ではユーザーデータを集めないとしています。Peekabug は虫専用です。一致がどのくらい確かか、近くにいても安全かを教えてくれ、1 日 3 回まで無料で判定できます。確かな答えがほしいときは、写真を iNaturalist か r/whatsthisbug に投稿して、人に確認してもらいましょう。
Google レンズで虫を判定できますか?
多くの場合、できます。Google レンズと Apple の「画像を調べる」はたいていのスマートフォンに組みこまれていて、よく見る虫なら写真から名前を出してくれます。ただし確かさの度合いも安全の見立ても示さず、そっくりさんにだまされやすいので、結果は出発点として扱ってください。
虫判定アプリはどのくらい正確ですか?
写真と種によって変わります。Peekabug が 2026 年 10 月に iNaturalist の研究グレードの写真 50 枚で行った自社テストでは、種まで正しく当てたのが 72%、属まで正しかったのが 76% でした。ほかのアプリもそれぞれ独自に精度をうたっています。どのアプリも、判定が大事な場面では、そのグループにくわしい人の代わりにはなりません。
本物の昆虫学者に虫を判定してもらうには、どこで聞けばよいですか?
Reddit の r/whatsthisbug、BugGuide.net(米国とカナダ)、iNaturalist の観察記録、米国なら州立大学のエクステンション(普及事業)窓口です。ピントの合った写真、場所、日付、大きさを添えてください。
何に刺されたか、アプリでわかりますか?
刺され跡の参考情報を載せているアプリもあります。Peekabug は刺され跡や発疹を判定しません。皮ふの写真からは、どの生きものが原因かを確実には言えないからです。刺され跡が腫れてきた、広がってきた、体調が悪いと感じるときは、医師に診てもらってください。
